スポーツは老若男女を問わず、人気なコンテンツの一つだ。

サッカーやバスケ、野球は若い世代を中心に相変わらずの人気があり、ゴルフやマラソンなどは年配の方にも人気がある。

また健康活動の一環で、フィットネスやランニングは老若男女を問わず、多くの人に親しまれている。

スポーツメーカーに就職したいと考えている人の多さは、こういったスポーツを楽しむ機会が多く、スポーツ人口が多いことを反映していると言えるだろう。

また、その多くがスポーツの経験者であることは、言わずもがなだろう。

つまり、スポーツをしてきた人の中でスポーツメーカーに就職を希望する場合、非常に多くのライバルがおり、同じような背景を持った人が多いということになる。まずはこの現状を認識する必要がある。

本記事では、スポーツメーカーの現状や採用について、またどのような人材が求められているかなどを解説していく。業界の状況やスポーツメーカーで求められている人物像を知り、ライバルに差をつけよう。

スポーツメーカーへの就職を希望する人は多い

例年、スポーツメーカーを受験する求職者は非常に多い、外資で優秀層を集めるNIKEやadidas、国内の最大手としてグローバル人材を積極採用するアシックスなど、非常に人気が高い企業である。

また、その知名度からスポーツに関心がない人も惹きつけることから、求職者の競争倍率は非常に高いと言われている。

また、グローバルメーカーになると求職者や採用対象者が、日本国内の大学出身者だけではなくなるため、競争が特に熾烈である。

スポーツメーカー業界を取り巻く環境

スポーツメーカー業界全体の業績は堅調に推移をしている。業界の市場規模は1兆1048億円(平成27-28年のデータ)と前年より11%以上の成長をしている成長産業の一種である。

この市場の伸びを牽引しているのが、ランニング用品やアウトドア関連の用品だと言われている。

スポーツメーカーといえば、サッカーや野球といった競技用の用品が売れているイメージかもしれないが、現在では競技スポーツの人気の衰退や少子高齢化などが影響し、ランニングなどの老若男女を問わないスポーツ関連の用品の売れ行きが伸びているようだ。

また、競争力の強い海外メーカーの存在は非常に国内のメーカーの地位を脅かしている。

その最たる例の一つとしてアンダーアーマーが挙げられる。2016年時には売上規模ではアシックスに次ぐ4位出会ったが、2017年時にはアシックスを抜き、スポーツメーカーでは世界3位まで上がってきた。

国内メーカーではミズノが競泳水着やゴルフ関連用品で売り上げを伸ばしつつ、シューズ事業も成長している。

スポーツメーカーの現状

スポーツメーカーは現状堅調な伸びを見せているが、今後、少子高齢化に伴ってダウントレンドになると言われている。

比較的元気なシニア層のニーズによって業界は支えられているが、今後10年・20年と続いていく可能性としては高くはないだろう。

そこで現在、国内のスポーツメーカーは積極的に海外展開を強化している。海外に販路を拡大することによって新規の顧客開拓に繋げる姿勢である。

国内首位のアシックスは米州、欧州、オセアニア、東アジア地域で展開しており、南米や東欧にも拡大している。アシックスの海外売上高はこの10年で2倍以上に増加しているのは、これが背景である。また、2位のミズノも欧州、米州、アジア地域で展開をしており、3位のデサントも同様に韓国を中心にアジアで展開を続けている。

このように、国内メーカーは海外に向けて積極的に展開を行なっている。

スポーツメーカーに求められる人材とは?

どの業界にも共通していることかもしれないが、スポーツメーカーを希望している人物と、スポーツメーカーが採用したいと考えている人物像は必ずしも一致しているとはいえない。

つまりスポーツが好き、スポーツが得意なだけで、容易に就職ができるわけではないということだ。

もちろん好きなスポーツメーカーに対する思い入れやストーリーはスポーツが好きといった背景無しには語れないかもしれません。しかし、重要なのはスポーツメーカーが現代社会においてどのような人材を求めているのかを深く理解することである。それが、スポーツメーカーの内定獲得への近道になることは間違い無いだろう。

本章では、どのような人材がスポーツメーカーに求められているのかを解説する。

①グローバルに活躍ができる

先ほどお伝えしたように、国内メーカーであっても海外展開を強化している。

グローバルに活躍ができる前提には、英語やスペイン語、フランス語といった第二言語が話せることは最低条件といえるだろう。

2016年のアシックスの長期インターンシップでは、参加者の9割が海外経験ないしは留学予定がある人材であった。

また、今年アシックスで本社採用になった新卒は開発を除き、ほとんどが外国籍の人材であったという。

外国語が話せるという以上に、コミュニケーションを円滑に取り、プロジェクトマネジメントができるというところまで期待値を寄せているからこそ、ハードルは高い。

②スポーツが好き

スポーツがただ好きということには、あまり意味はありませんが、スポーツを通して何を学んだか、何を得たか、それが仕事につながるかどうかをアピールできるかが非常に重要といえるだろう。

例えば、競技の練習をする際に計画をたて、それがどう成果に結びついたのかをアピールするなどはイメージがしやすいため、好印象を残しやすい。

スポーツを通して、学び得たことを言語化でき自覚している人材こそが企業の求めている人材である。

③特定の領域での専門的な知見を持っている

スポーツメーカーで活躍できるのはスポーツマンだけとは限らない。デザインや、プログラミングや情報分析、デジタルマーケティングなどといったところが具体的な例である。

スポーツメーカーは、事業領域は狭いが、関わり方が多様にあるため、例えばデザイナーとしてシューズの製作に携わったり、デジタルマーケターとして認知度の拡大や購買の強化を行う施策を実施するなど、ただ販売したりするだけではない幅広い関わり方ができる。だからこそ、専門領域の知見を深く持っている人が重宝される。

④新しいものを生み出すのが好き

スポーツメーカー業界の伸びは堅調だが、これからの業界動向を視野に入れた時に、スポーツメーカの事業ドメインと親和性を図りつつ、新たな取り組みを随時推進していく必要がある。

そういったプロジェクトを起こしたり、実施を推進していける人材も非常に重宝されるだろう。

スポーツメーカーにおける選考の特徴

スポーツメーカーの選考は、他の業界となんら大きく変わりはない

書類選考に始まり、面接を通して、内定を獲得していくという流れである。

とはいえ選考過程において、スポーツメーカー特有の特徴や傾向といったものは少なからず存在する。就職活動において、事前に傾向や特徴を押さえておくことは非常に重要である。

本章では、スポーツメーカーにおける選考の特徴と傾向を見てみることにしよう。

①インターンシップが本選考を兼ねている

近年、多くの企業がインターンシップを採用している。スポーツメーカーも実際にインターンシップを開催している。

アシックスでは、インターンに参加した人を優先的に面接を行い、採用に至るケースも多いようだ。

短期間でも企業側は、インターンシップ中の動きや言動、働きかけなどをもとに、人材としてを見極めているのだ。

②スポーツ関連学部生が優遇されるわけではない

筆者がアシックスのインターンシップに参加した時、当時の参加者でスポーツ関連学部に在籍していたのは筆者のみだった。

学部や体育会かに関係なく、企業に貢献できるかどうかという軸で人材を見ているため、あまりスポーツ関連の学部であろうがなかろうが関係ない。結局、個人の能力を見るという至極当然な判断を行う。

スポーツメーカーに就職しよう!

スポーツを愛し、好むことは、スポーツ関連企業で働くには、なくてはならない素質だ。

その思いは、企業に対するエンゲージメントやモチベーションという面で、大きく役に立つだろう。ただ、それだけでは成り立たないのがスポーツの仕事だ。

逆に言えば、能力さえあれば就職のチャンスはいくらでもある。短期的だけでなくても、中長期的にも、キャリアの選択肢の一つとしてスポーツメーカーを入れておくのもいいかもしれない。大切なのは、自分にあった職種につき、生産性を確保することである。

もしスポーツメーカーに興味があれば、まずスポーツメーカーでの働き方や業務、マインドが自分に合うかどうかを調べることをオススメする。

(編集:Sports Job Journal 編集部)